ドアに詰めた小指が痛む。
確かにそのドアの閉め方はずぼらな方法だったかもしれない。
だからと言って別にうっかりしていた訳でなかったと思う。
誰でも過去に一度や二度は指を詰めたことがあるはずで、
ドアというものは指を詰めるものだと言う認識を持っている。
だからその瞬間に僕はいくらかの用心をこさえていた。
しかし用心と言うのは想定しうる未来に対しての配慮であるということ。
それを僕は知らなかった。
僕の想定Aに対して行った用心Aが結果Aとして現れてくれたとしたら、
僕の指は無事だったのだけれど、現れたのは結果B。
つまり僕の指はドアに挟まれ、血が流れた。
痛い。
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