2012年1月3日火曜日

髪の毛云々

去年は髪の毛を染めたりパーマを当てたりした。

髪を染めると言うことは社会に染まり、パーマを当てると言うことは自分を曲げることなのか。

そして世間はそれを垢抜けると言うのだろうか。

医者「栄養失調ですわ。なんか滋養のあるもんでもあげてください。…はぁい、次の方?」
清太「ちょっと待ってください先生、滋養のあるもんて何ですか?そんなもん、どこにあるんですか?先生!」

※※※※

清太「節子、ただいまぁ。ん、どないしたんや?」
節子「なぁ兄ちゃん?櫛で髪梳いていたらなぁ、もつれた部分がひっかかるねん…

ほんで、うち、思てん。これって人間が置かれてる不条理性とよぉ似てはるわぁって…


だってなぁ、ただ伸びていかはるだけやったら、誰にも邪魔されへんはずやのに、全部の髪の毛が一斉に伸びようとしはるし、あとは頭が動かはるたんびに(重要なんはな、兄ちゃん、髪の毛があるから頭がある訳やない言う認識やねん)ちょっとずつ絡まりはって、わだかまりが出来はるんやないかなぁ。
しかもなぁ、伸びれば伸びるほどやねん。
ほんで気付いたときには身動きがもう取られへんのよ。
西宮のおばさんに当て擦られて、出奔したうちらみたいやなぁ、兄ちゃん?


でもなぁ、兄ちゃん、一番嫌なんはな、脱落していくお友達や兵隊さんを目にした時やねん。
なんでってな、死の恐怖とな生き延びた分だけ孤立してしまう時間があるからやねん。

なぁ何で髪、すぐ抜けてしまうん?
広い頭に髪の毛、一本って頼りないなぁ…
なんか、戦時中に身寄りもなく防空壕で生活するようなもんやわぁ。
兄ちゃん、ドロップ美味しいなぁ…」
清太「節子、それ精神やない、物質や!」